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五三  イエズスはラザロを生きかえらせた



 エルサレムのそばにベタニアという村があり、そこに、ラザロとその姉妹マルタとマリアとが住んでいました。

 ある時、ラザロが重い病気にかかりましたので、姉妹はイエズスさまの所へ使いをやり、「主よ、あなたが愛していらっしゃるラザロが、重い病気で死にかけています」と知らせました。しかしイエズスさまは、それからさらに二日ほど、その所にお泊まりになったあと、弟子たちに、「ラザロが死んだ。さあ、かれの所へ行こう」とおっしゃいました。

 こうしてイエズスさまがベタニアにお着きになった時は、ラザロはもはや死んで、墓に葬られてから四日目でした。多勢のユダヤ人が、姉妹を慰めるために、その家に集まっていました。イエズスさまがお着きになったと聞いた二人は、いそいでお迎えに出ましたが、居合わせた人々も、いっしょに出かけました。イエズスさまを見たマルタは、「主よ、もしあなたがここにおいでになったら、私の兄弟は死ななかったでしょうに」と言って嘆き、マリアもそれにことばを添えて、イエズスさまに話しました。イエズスさまは、「どこにラザロをおいたのですか?」とお尋ねになりました。二人が「主よ、どうぞおいでになってごらんください」と答えて、イエズスさまを墓へご案内しましたが、この時、イエズスさまは、感動して涙を流されました。これを見ていたユダヤ人たちは、「あれ、ごらん。イエズスさまはどんなにラザロを愛しておられたことだろう!」とささやきあいました。

 イエズスさまはみなといっしょに、ラザロの墓の前に立たれました。墓は横穴になっており、その入り口は、大きな石で蓋がしてありました。イエズスさまは、その石を取りのけるようにおっしゃったので、人々は力を合わせて、石の蓋をわきへのけました。するとイエズスさまは、墓の中に向かって、「ラザロよ、出て来なさい」と大声でお呼びになりました。するとどうでしょう。その声に応じてすぐにラザロが墓穴から出てきたのです。しかし、手足は布で巻かれ、顔も布でおおわれているので、よく歩くことができません。イエズスさまは、「布をといて歩かせてやりなさい」とおっしゃいました。

 この奇跡を見て驚いた多くのユダヤ人は、イエズスさまを信ずるようになりましたが、いっぽう衆議所のほうでは、イエズスさまはユダヤ人を迷わすものだから、どうしても殺さなければならないという相談がまとまったのでした。


一 イエズスさまは世の終わりの日に、すべての人を復活させます。その時、よい人のからだはどんなに美しいものになるでしょう!また、悪い人のからだは、どんなに醜いことでしょう。


二 使徒信経の第十一条には「(われは)肉身のよみがえり(を信ず)」とあります。これは、世の終わりには、私たちのからだも生きかえって、墓から出てくる、という意味です。


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